空き家問題のお役立ち情報

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空き家問題とは

少子高齢化、人口減少を背景に、空き家が社会問題となっています。

 

平成25年に総務省が実施した住宅・土地統計調査によると、空き家の割合は13.5%に上ります。現状でもすでに7〜8件に1件は空き家ということです。空き家の数は今後も増加していくと考えられています。例えば、遠方に住んでいる親が亡くなって、空き家を相続するというケースは増えていくでしょう。

 

空き家を放置していると以下のようなリスクがあります。

  • 管理を怠っていた為に隣接する住宅に被害を及ぼし、責任を問われる恐れがある。
  • ごみが捨てられたり不審者が住み着いたりして近隣から苦情が出る恐れがある。
  • 相続人が死亡して更に相続が発生することで共有関係が複雑になり、処分が困難になる。

 

更に、平成27年から「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されたことにより、以下のようなリスクも増えました。

  • 住宅用地の特例が適用されなくなり、固定資産税が高くなる(最大6倍になる)恐れがある。
  • 市町村長により取り壊され、その費用を請求される恐れがある。

 

空き家の多くは相続がきっかけで発生すると言われています。司法書士は相続に強く、また、不動産登記が主要業務の1つであることから不動産に関する知見もあります。空き家問題の解決に最適な士業ではないかと思います。空き家の問題は時間が経つほど解決が難しくなります。お早めにご相談ください。

空き家の持分を放棄したい

<相談事例>
10年程前に親の不動産を相続し、自分と姉で持分2分の1ずつで共有しているが、現在は空き家で手入れも面倒なので、自分の持分を姉に譲りたい。

 

【選択肢@】遺産分割協議をする

遺産分割協議が未了であるならば、遺産分割協議をして姉の単独所有とすれば済む話です。相続から10年経っていますが、何年経っていようが遺産分割協議はできます。こうすれば相続開始時点から遡って姉が単独で取得していたことになるので、本人から姉への贈与税等が課されることもありません。(相続税が課される程不動産の価値が高い場合は、10年前の相続発生時に課税されているはずなので、この度遺産分割協議をしたからといって新たに課税されることはありません。)

 

ただし今回は姉の他に兄がいて、3人で遺産分割協議をした結果、本人と姉の2分の1ずつとしていたケースでした。遺産分割協議をやり直すこともできますが、この場合は本人から姉への贈与税が発生してしまいます。すでに無関係の兄にも再度協力してもらう必要があるので、それならば次にご説明する本人から姉への贈与を検討したほうがよいでしょう。

 

【選択肢A】本人から姉へ持分を贈与(または売却)する

この場合は課税に要注意です。贈与の場合は姉に贈与税や不動産取得税が課される可能性があります。また、売買の場合は本人に譲渡所得税が課される可能性もあります。後から予期せぬ課税が生じるとトラブルになるので、心配ならば事前に税理士に確認しておきましょう。

 

なお、持分放棄という方法もあり、これをすると他の共有者に放棄した持分が移ることになります(民法255条)。ただし、この場合でも贈与税や不動産取得税は掛かるので、両者できちんと合意する「贈与」という形をとったほうがよいでしょう。

 

【選択肢B】不動産を売却して、代金を姉と2分の1ずつ分ける

もしかしたら姉も手放したいと考えているかもしれません。この場合は売却して代金を2分の1ずつ分けるのがベストでしょう。地元の不動産業者何社かに査定依頼を出して、いくらで売れそうか確認してもらいましょう。(ただし、物件によっては買い手がつかないと言われてしまうこともあります。)

相続登記をしていない借地上の建物

田舎に既に亡くなっている祖父名義の建物があるとのことで相談に来た方がいらっしゃいました。土地は借地で、現状はもう誰も住んでいないので、建物を取り壊して借地契約を解除したいとのことでした。

 

建物の名義人である祖父の相続人は相談者の他にも多数いらっしゃるため、本来は相続人全員で合意した上で話を進める必要があります。ですが実際はその建物に関心がなかったりそもそも知らない相続人もいるので難しいところです。

 

建物はもうボロボロなので価値はほとんどないでしょう。しかし気を付けるべきは「借地権には財産的価値がある」ということです。地域にもよりますが、底地価格の60〜70%くらいの価値があるのが通常です。逆に言うと、借地権付きの土地の価値は更地価格の30〜40%しかないということです。

 

借地権は売却することができます(実際のところ買い手が付くかどうかはさておき)。借主から地主に対する借地権買取請求権はありませんが、立退料という名目で地主に金銭を支払うよう交渉することは可能です。地主からすれば自分の土地を返してもらうのに金を払わなければならないというのは納得いかないでしょうから、実際に要求するとモメることも多いでしょう。しかし、この要求をせずに勝手に借地契約を解除してしまうと、他の相続人から「財産的価値のある権利を勝手に放棄した」とクレームを付けられる可能性がないとは言えません。

 

結局のところケースバイケースです。相続人全員の合意を得るのが難しくても、文句を言ってくる可能性がないのであれば、一部の相続人の判断で話を進めてもよい場合もあると思います。

民泊は空き家問題の解決策になるか?

親の住んでいた家を相続し、空き家となったその家を持て余す、といったケースは今後ますます増えていくと思われます。売却の他に「民泊」に利用するという選択肢は現実的にどうなのでしょうか?

 

現状、民泊サービスを提供するには旅館業法の許可を受けなければなりません。これがなかなかハードルが高く、現状は無許可で営業しているケースも多々あります。そもそも民泊が日本で始まった頃は法的なハードルがあるとの認識自体が薄く、転勤等の何らかの事情で使わなくなった家を有効活用する位の軽い気持ちだったようです。

 

新しいビジネスモデルである民泊について法の整備が間に合っていない状況でしたが、空き家問題や外国人観光客の増加による宿泊施設の不足等も受け、2017年6月9日に「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が成立し、2018年6月15日に施行されることとなりました。これにより(新法の条件に合致する)民泊は届出制となり、現状の旅館業法の許可制よりもハードルが低くなります。

 

で、実際に空き家問題の解決策として「使える手段」なのか、ということについてですが、実際に民泊経営している人に話を聞いてみるとここ最近は価格破壊が著しいそうです。民泊を始めたばかりの頃は近隣に競合がほとんどいない状況だったのが、ここ数年で急激に増えたとのことです。あと、外国人のお客さんも多く、文化の違い等から事業主や近隣住民とトラブルになることもあるとのことです。民泊新法の施行により今後は届出をしていない事業者の取り締まりが強化されるかもしれませんが、もう少し経過を見守ったほうが良いかもしれません。