
以下の手法を組み合わせて、認知症等による判断能力の低下に備えます。成年後見がすでに判断能力のない状態の方をサポートする制度であるのに対し、任意後見・財産管理委任や見守り契約は判断能力がまだあるうちに将来の判断能力低下に備えて契約を結びます。成年後見と違って当事者間の契約なので、信頼できる相手を自由に選ぶことができますし、契約内容も当事者間で合意すれば基本的に自由に決めることができます。
財産管理委任契約 | 判断能力はあるが体が不自由等の理由により、他人に財産管理を任せる契約 |
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任意後見契約 | 判断能力が低下した時に、他人に財産管理や生活・療養看護に関する事務を任せる契約 |
見守り契約 | 定期的に連絡をとって安否や判断能力を確認してもらう契約 |
尊厳死宣言 | 終末期医療についての希望を表明する書面 |
項目 | 報酬額(税込) | 実費 |
---|---|---|
契約書作成 | 77,000円 | 公証人手数料(※1)、郵送費、交通費等 |
戸籍謄本等収集 |
1,100円/1通 |
戸籍謄本:450円/1通 |
委任事務(※3) | 33,000円/月 | 事務処理に要した実費 |
項目 | 報酬額(税込) | 実費 |
---|---|---|
契約書作成 | 77,000円 |
公証人手数料(※1) |
戸籍謄本等収集 |
1,100円/1通 |
戸籍謄本:450円/1通 |
後見事務(※3) | 33,000円/月(※5) | 事務処理に要した実費 |
項目 | 報酬額(税込) | 実費 |
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契約書作成 | 33,000円 | 公証人手数料(※1)、郵送費、交通費等 |
委任事務(※3) | 5,500円/月(※6) | 事務処理に要した実費 |
項目 | 報酬額(税込) | 実費 |
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宣言書作成 | 33,000円 | 公証人手数料(※1)、郵送費、交通費等 |
※1 公証人手数料についてはこちら
※2 役所により異なります。
※3 当職が受任者となる場合。非日常業務については別途内容に応じた報酬が発生します。
※4 任意後見は登記されるため、これらの費用が発生します。
※5 この他、任意後見監督人の報酬が発生します。(額は家庭裁判所が決定、月額10,000〜30,000円程度)
※6 例外的な訪問、受診・入院等の手配をした場合、1時間につき5,500円の日当
任意後見契約等における非日常業務の例を挙げます。なお、報酬額はあくまで目安であり、作業量と難易度を鑑みて委任者・受任者の合意のもと決定します。
非日常業務 | 報酬額(目安) |
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任意後見監督人の選任申立 | 55,000円 |
賃貸不動産に関する定期的な管理業務 | 1ヶ月の収入の合計額 ×11%以内 |
不動産に関する契約の締結 |
契約価額が |
不動産に関する継続的契約の締結 |
契約賃料・管理費等の1.1ヶ月分 |
金銭消費貸借または担保権設定契約の締結 |
債権額(借入額)が |
入退院手続き | 55,000円以内 |
介護・福祉サービス利用における基本契約の締結 | 55,000円以内 |
文案を要する官庁提出書類の作成及び提出手続き | 55,000円以内 |
遺産分割に関する事務 |
取得する遺産の額が |
日当 |
1時間につき5,500円 |
委任者死亡による契約終了に伴う事務 |
440,000円以内 |
※施設入所手続きは、契約内容に応じ、上記「不動産に関する契約の締結(売買もしくは賃貸借)」に準じて算出する。
※上記以外の非日常業務については、その事務を行うのに要した時間に応じて、上記「日当」を適用する。
成年後見は認知症等で意思能力が失われた後に親族等の申し立てにより開始するのに対し、任意後見は意思能力があるうちに自分で事前に契約を締結しておきます。任意後見には以下のようなメリットがあります。
信頼できる後見人を自分で選ぶことができます。基本的に、親族でも司法書士等の専門職でも誰でも選任可能です。(ただし、未成年者や破産者等は任意後見人になれません。)
任意後見は契約であるため、後見人の権限や報酬、契約終了条件等を自由に決めることができます。一方で、成年後見は融通が利かない面があります。(以下は一例)
<自宅の売却ができない>
自宅を売却して老人ホームに入りたい場合等に問題となります。
原則として、成年後見人は自宅を売却することができません。特別な事情がある場合のみ、家庭裁判所の許可を得ることで売却できますが、手間も時間も掛かります。
任意後見であれば、契約で自宅の売却権限を任意後見人に与えておけばスムーズに手続きを進めることができます。
<相続人になった場合に柔軟な対応ができない>
配偶者が先に亡くなった場合、子ども達と遺産の分け方を話し合うことになります。場合によっては子どもに多くの財産を相続させたほうがよいこともあるでしょう。しかし、基本的に成年後見人は法で認められた相続分(この場合は2分の1)を確保しようとします。これも任意後見契約に定めておくことで柔軟に対応することが可能となります。
なお、任意後見契約の内容は登記されるため、任意後見人にどのような権限が与えられているのか、誰でもわかるようになっています。
また、成年後見の場合、後見人は家庭裁判所の監督を受けることになりますが、任意後見の場合においても、契約締結後に本人の意思能力が失われて任意後見が開始すると、家庭裁判所により任意後見監督人が選任されます。任意後見人は定期的に事務処理の状況を任意後見監督人に報告する必要があり、仕事ぶりをきちんとチェックされることになります。